組織が直面する課題
なぜ“話し合い”が組織力につながらないのか
人的資本経営やエンゲージメントが重視される一方で、多くの企業・法人がこんな悩みを抱えている。
話し合いで一部の人しか発言しない
声の大きい人が発言権を持ってしまう
控えめで沈黙が多く、意見交換が深まらない
毎年サーベイを実施し、組織風土に問題があることは認識しているが、改善策が分からない
オンライン化が進む中で、対面コミュニケーションの価値は再認識されている。しかし一方で、対面コミュニケーションは議事録には残らない「雰囲気」や「空気感」に支えられており、その良し悪しは主観に頼らざるを得ないのが実状だ。
武井さんはこう語る。「組織の雰囲気や風土は、目に見えず証明することが難しいです。今日の話し合いが盛り上がった、いつも発言者が偏っている気がする、など「なんとなく」であったり、人によって感じ方には個人差があり共通認識を持ちにくいからです。」
組織力強化の第一歩は、コミュニケーションを客観的に把握することにある。
Baoble 誕生の背景
「出張」の本来の目的は「対面のコミュニケーション」である、という気づき
Baoble は、音声解析技術を用いて対面におけるコミュニケーションを定量的に可視化するソリューションだ。武井さんが所属する JTB ビジネストラベルソリューションズでは、ビジネストラベル(出張手配)業務をメインとしている。コロナ禍で出張需要が激減した中、武井さんは「出張はあくまで手段にすぎず、本来の目的は対面のコミュニケーションである」という出張の本質に着目した。オンライン化が進むと同時に、対面のコミュニケーションの重要性を痛感した時期でもあった。
そして、40社近くの企業に直接インタビューを行ない、多くの企業が 2 つのコミュニケーション課題を抱えていることが判明した。
対面のコミュニケーションは話したそばから消えてしまうため、ブラックボックス化
どの業界業種も求められるコミュニケーション力は、明確な指標がなく、主観で判断せざるを得ない
そこで、「音声解析技術」と、雰囲気を示す「非言語コミュニケーション」を掛け合わせ、交流創造事業を手掛ける JTBの新規事業として Baoble を起案した。非言語コミュニケーション研究の専門である大坊郁夫名誉教授(大阪大学・東京未来大学・北星学園大学)や、組織心理学の専門である山口裕幸名誉教授(九州大学・京都橘大学)が監修として参画。学術的な知見を取り入れながら、実務で使える形へと落とし込まれている。
Baobleとは
組織の関係性を見える化するツール
Baoble は、文字起こしツールではない。話し合いの中で生まれる「発言の偏り」や「やりとりの多さ」「盛り上がりや沈黙」といった要素を可視化・分析することで、組織の関係性や心理的安全性に目を向けさせる。
各社や組織が掲げる目標(売上や離職率、事故発生率など)の裏側には、必ずチームワークがある。そのチームワークを支えるのは、日々のコミュニケーションや心理的安全性。Baoble は、この見えにくい土台を可視化する役割を持っている。

「感覚」ではなく、話し合い中の発言という「実際のアクションに基づいたデータ」から組織の関係性や心理的安全性を明確に示し、人的資本経営やエンゲージメント向上に貢献するソリューションとなっている。
利用シーンは多岐にわたる。
社内会議
採用時のグループディスカッション
営業・接客のロールプレイ
研修時のワークショップ
どの場面においても、「誰がどれくらい話していたのか」「一方的ではなく、双方向な話し合いだったのか」といった視点が共有されることで、課題を抽出し改善していくサイクルが生まれる。
Baobleが目指すのは、コミュニケーションを評価するツールではなく、コミュニケーションを育てるための仕組みだ。
関係者コメント※当時所属
非言語コミュニケーション研究者/名誉教授 大坊 郁夫 氏
個人の感覚や経験に依存したコミュニケーション評価には限界があります。
Baobleによって対話のプロセスが可視化されることで、組織の中で共有できる“気づき”が生まれ、それが生産性やエンゲージメントの向上にもつながっていくと感じています。
利用企業の声(社内会議)/ 物流業界A社 担当者
これまでは、「よく発言する人 =会議に貢献している人」というバイアスがありました。しかし、Baobleで普段あまり話さないメンバーも、口火を切る係として貢献していることが分かり、会議の捉え方そのものが変わりました。これをデータとして確認できたのは大きな発見でした。
利用企業の声(研修・育成)/ 自動車メーカーB社 担当者
Baobleを使い慣れた社員が、「これを意識すればBaobleの点数が上がるよ」と他のメンバーにもアドバイスできるようになり、組織の話し合いが活性化するようになりました。
このような人材を自然と育成できたことは、Baobleの価値だと感じています。
今後どのようにしていきたいか
双方向のコミュニケーションがエンゲージメントへ
Baobleは、『星の王子さま』の名言「かんじんなことは、目に見えないんだよ」をコンセプトにしている。目に見えないもの(関係性や雰囲気)こそ大事であり、目に映るものだけが真実ではない。そして、目に見えないものが今後の技術の発展によって見えるようになることで、コミュニケーションの課題解決につなげていきたい。そんな思いを込め、小説に登場する「バオバブの木」と接尾語の「able」を組み合わせ、「Baoble」と名付けられた。
Baobleが挑んでいるのは、見えなかった組織の関係性や雰囲気を可視化することで双方向のコミュニケーションを高め、エンゲージメントを育むことだ。
武井さんは、今後についてこう語る。「コミュニケーションは大事、と当たり前に言われていることですが、目に見えないからこそ、客観的に振り返ることが難しいのです。Baobleは、双方向のコミュニケーションの進化によって、より深いエンゲージメントが築ける社会の実現を目指します。」
心理的安全性やエンゲージメントは、一つの施策で手に入るものではない。しかし、話し合いを見える化し、振り返り、次に活かす。その小さな積み重ねが、組織の土台を強くしていく。
Baobleは、組織力強化の第一歩としての「話し合いの見える化」を、これからも支え続けていく。
関連URL
法人サービスサイト Baoble バオブル(対面におけるコミュ力見える化ツール)
https://www.jtbbwt.com/business/service/solution/benefit/evp/baoble/




